~落書き帳「○△□」~
落書き「182」で紹介した熊野神社算額の類題がありました。
「折々の算額」ページに載せた算額から。
現在の本宮市白岩にある浮島神社。現存する算額(明治22年)はすでに判読不可能ですが、有難いことに復元されていました。その算額(全5問)の第2問を取り上げます(右)。
写真にある問題図(と題意)をご覧ください。南会津舘岩の熊野神社に現存する問題図と違って、こちらは直角形に特化した「三斜三円術」です。
したがって、直角をうまく利用した解法が考えられるところです。ここでは、次の定理がぴったりです。
【定理】(安島直円)
下図において、AI+ID-DA=EF が成り立つ。( ただし、I は内接円の半径)
このすばらしい等式はどんな三角形でも成り立ちますから、もちろん直角三角形でもOK。
また、等式は頂点 A から見た式になっていますが、他の2頂点から見ても同様の等式が記述できます。
大雑把な説明ですが、今回はここまで。なお、浮島神社と同種の図が、三春町の七草木天神社算額にあることをお伝えしておきます(明治17年、現存)。