~落書き帳「○△□」~
田村郡三春町「三春まちづくり公社」主催のユニークなイベント。今年一年間、毎月第2土曜日に実施されることになりました。降りしきる雪の中で行われた、第1回の話題から。(平成29年1月14日:龍穏院)
各辺の長さが整数の直角三角形を「ピタゴラスの三角形」といいます。そのうち一番簡素なのが、(3, 4, 5)。このタイプは算額図上、重要な役どころを演じます。
ピタゴラスの三角形の三辺は、偶奇の異なる互いに素な整数 m, n (m>n>0) を用いて
(m²-n², 2mn, m²+n²)
と表せますから、面積は整数(「ヘロンの三角形」)。また、外接円の直径は斜辺そのものなので、これも整数です。
さらに、直角三角形の内接円の直径は、
(m²-n²)+2mn-(m²+n²)
として求められます(和算の基本術)から、これも整数になります。
(3, 4, 5) の場合、面積 6、外接円の直径 5、内接円の直径 2 です。
下の一連の図(1~3番目)は、この結果をもとに龍穏院算額第16問の図(4番目)を構成してみたものです。
この問題はすでに、落書き帳「64」(「199」)、及び「折々の算額」に載せましたが、今回見学の機会を得て三度取り上げました。
原画(構想)の中の何を見せて何を見せないか、それは問題としても絵馬としても重要なポイントなのですね。