~落書き帳「○△□」~
先日の「和算入門講座」の話題から。(17.2.15、2.22 福島市中央学習センター)
「97. 蕎麦の実」で紹介した磯村吉徳の「蕎麦形術」(『増補算法闕疑抄』、貞享元年(1684)の原本をのぞいてみましょう。
写し(左)の下段には、冒頭に
「辺の長さが1尺2寸の正四面体の体積は、203.61024坪である」
という意味の文が書かれていて、後にその説明が続きます。
「1尺2寸を3乗したものに、11783を掛けると体積が出る」
これは、辺長が1尺の正四面体の相似拡大(定法11783倍)を行っているようです。
上段にはその術が図解されていて、立方体から切り離す3直角四面体4個を正四角錐にまとめ、全体から引く操作が描かれています。「11785」という値が下段のものと違うのが気になりますが、くずし字が読み切れません。またの機会にお伝えすることにします。
「和算入門講座」では、折り紙を用いて和算書にある図を確かめました。右の写真がそれです。下は3直角四面体をたくさん作って並べたもの。正四面体を密に並べてできる文様(「159. 麻の葉はダイヤの輝き」)が、切り落とした3直角四面体でもできました。一枚の折り紙から2個ずつできるので、それほど手間はかかりません。お試しあれ。