~落書き帳「○△□」~
前回の応用を一つ。和算家好みの等式のお話です。
任意の三角形ABCにおいて、
周の長さを a+b+c=2s、
内接円の半径を r、
角A、B、C内の傍接円の半径をそれぞれ rA、rB、rC
とすると、
三角形ABCの面積:S=r × s=rA × (s-a)=rB × (s-b)=rC × (s-c)
が成り立っていました。
上記の等式から、
S/rA+S/rB+S/rC=(s-a)+(s-b)+(s-c)=s
これをS で割ると、
1/rA+1/rB+1/rC= s/ S=1/ r ……(*)
すなわち、任意の三角形において、
「三傍接円の曲率の総和は、内接円の曲率に等しい」
という結果が導き出されました。「術」と呼びたくなるような、まさに和算家好みの等式ではありませんか。
前回「220」の宿題
【問題】三角形ABCにおいて、a=7, b=20, c=15 のとき、r と rA を求めてください。
(街角の数学)
の解答を兼ねて、今回の等式(*)を確認しておきましょう。
r=2, rA=3, rB=42, rC=7 (S=42, s=21)
すべて整数ですから、等式(*)は
1/3+1/42+1/7=1/2
という、単位分数間の等式になります。