~落書き帳「○△□」~
落書き「232」に戻って、小野新町塩釜神社算額問題を解きます。
問題は次の通りでした。
今有如図四斜
大斜七十八寸 小斜二十寸
甲斜五十一寸 乙斜六十五寸
問至多積如何
答曰至多積二千四百三十六歩
術曰甲冪乙冪和内減大冪小冪和余二除之自之以減甲因乙与大因小和冪余開平方二除之得至多積合問
(小野新町 耕地整理工事係長 渡辺重左衛門 撰)
前回までの文字記号を用いると、
2s=a+b+c+d=51+65+78+20=214
ですから、「ブラーマグプタ」さんの手によって、立ちどころに
S²=(107-51)(107-65)(107-78)(107-20)=56×42×29×87
と算出されます。このあと「開平方」とくるわけですが、ご心配なく。
S²=56×42×29×87=(2²×3×7×29)²
よって、面積の最大値は 2²×3×7×29=2436。
無事、原文の「答曰至多積二千四百三十六歩」に一致しました。
「耕地整理工事係長」こと重左衛門さんは、答が整数になるように配慮してくれていたのですね。この気配り、ぜひ見習いたいものです。