~落書き帳「○△□」~
3月の三春まちなか寺子屋から。
見学したのは田村大元神社に現存する算額でしたが、ここには江戸時代(文化6、文政12)にも算額が奉納されました。どちらも失われましたが、幸いなことに、山形大学(佐久間文庫)所蔵の算額集に記録されています。
ここでは、文政12年の算額問題を紹介します。
【所懸奥州三春太元師之一事】
今如図桜ヵ下に発句詩歌の会あり、集来る人数各等しからず。幕越に其言を聞ヶば、咲残る花数を文字数になして作を為書すに、
発句一十七文字を以一章とし吟調すれば盈事三個、
又詩は七言絶句二十八文字を以一章とし賦尽すれば二十三個不足
復歌三十一文字を以詠すれば詩事八個也と云ふ。
問其咲残花数幾何程。
(最上流 佐久間杢之亟正清門人 西尾藤介源信任)
―『福島の算額』(県和算研究保存会編)より ―
(題意)満開の桜の下で、発句詩歌の会が花見をしている。咲き誇る花数を文字数に 見なして、これを17文字で区切れば3文字余り、七言絶句28文字で区切れば 23文字不足し(=5文字余り)、歌31文字で区切れば8文字余る、と話している。 さて、会員たちは桜の花数を何個と見たてたのだろう。
滝桜の里三春に相応しい、「中国剰余定理」の見事なアレンジです。