~落書き帳「○△□」~
素因数分解ではありません。正の整数を2つの正の整数の積に表すことです。
『数学セミナー』誌の新連載の一つ、時枝正氏による「試験のゆめ・数理のうつつ」:第1回「ケンブリッヂの入試」(日本評論社『数学セミナー』2017.4)から。
「いにしえの科挙と中国人を除き、イギリス人ほど試験を信奉し専門化に執拗な民族はあるまい」という書き出しでイギリスの試験事情を紹介した後で、ご自身が主任として携わった「口頭試問」のサンプルをあげています。その第3問は、
「100! のしっぽにはいくつ 0 が連なるか?」
この問いはさておき、その解説に続く「おまけ」を取り上げましょう。
「古い城館にながいながーい廊下があり、閉じた扉がずらっと無限に並んでいます。一方、
廊下の端に無限人の執事がかしこまっております。執事たちは次々に廊下を通り、n 番の
執事はn 番ごとの扉を調べては、それが閉じていれば開け、開いていれば閉じてゆきます。
全員通り過ぎたのち、どの扉が開き、どの扉が閉じているでしょうか?」
この記事を読んで、思い出すことがありました。昨年の、高校の先生方の研修会でのこと。
前もって受付で、受付番号( 1, 2, 3, …)が表に書いてあるカードを1枚ずつお渡ししておきました。話のはじめに、手持ちのカードを裏にして(数字を隠して)もらってから、
「カードの数字が n の倍数ならばカードを反転(裏向きなら表向きに、表向きなら裏向きに)し、n の倍数でなければそのままにする」
操作を、n=1, 2, 3, …, k(最後の番号=参加者数)の順に繰り返し行いました。
さて、全操作が終わったとき、表向きになっているカードの数字は何だったでしょうか?