~落書き帳「○△□」~
今回は、「ケンブリッヂの入試」サンプル第3問(落書き「259」)と同じ問題があった、
というお話。
「100! を10進法で表すと 0 はいくつあるでしょうか」:『数学のひろばⅠ』より
(ドミトリ・フォミーン,セルゲイ・ゲンキン,イリヤ・イテンベルク著,志賀浩二・田中紀子訳 岩波書店 1998)
問題文を読んで、あれ? と思われるでしょう。「ケンブリッヂ」の方は、
「100! のしっぽにはいくつ 0 が連なるか?」
でしたから、くだけた表現ながら意味は明確です。『数学のひろばⅠ』の方だと、途中の桁に 0 がある場合もカウントするのかな?と思ってしまいますよね。
幸いこの本にも略解が付いていて、それが「もしある数の末尾に n 個の 0 があるとすると、…」で始まるので、なあんだ、ということになります。それでも、ケンブリッヂの方の「しっぽ」「連なる」という表現は街角好みでした。
もし、「100! を10進法で表すと 0 はいくつあるでしょうか」という問題を、どの桁に現れる 0 もすべてカウントせよ、と解釈すると大変なことになりそうです。例えば、
7!=5040, 8!=40320, 12!=479001600
という手計算の範囲ならよいのですが、100! となると…
ということで、本題に戻りましょう。100! のしっぽに連なる 0 の個数は、
[100/5^1]+[100/5^2]=20+4=24
その心は、
10 の約数のペアは、自明なものを除き「2 と 5」しかないこと。加えて、
100! の素因数分解における 5 の個数が、2 の個数より少ないこと。
表題の「約数のペア」がようやく現れました。