~落書き帳「○△□」~
三辺の長さだけでなく面積も整数のヘロン三角形。この仲間に、次第に正三角形と見分けがつかなくなる系列があります。
三辺の長さを (a-1, a, a+1) とします[a は1より大きい整数]。このとき、面積の2乗は
S²=(3a/2)・(a/2+1)・(a/2)・(a/2-1)=(3/16)a²(a²-4) [ヘロンの公式]
したがって、このタイプがヘロンの三角形となる条件は、x, y を正の整数として
a=2x かつ x²-1=3y²
と表せることです。
細矢治夫先生の『三角形の七不思議』(講談社ブルーバックス)によれば、これは
a=((2+√3)^n+(2-√3)^n
の場合であると、結論だけ記されています。
少し補っておきましょう。整数の組 (x, y)に関する不定方程式
x²-3y²=1
は、「ペル方程式」として知られていて、その正の解 (xn, yn) は、正の最小解 (2, 1) を用いて
(2±1・√3)^n=xn±yn√3
によって得られます。(なお、x²-3y²=-1 の整数解はありません)
したがって、
xn={(2+√3)^n+(2-√3)^n}/2, yn={(2+√3)^n-(2-√3)^n}/(2√3)
から、上記の結論に達します。
さて、このタイプの三角形の系列を、漸化式を作って実際に求めてみると、
(3, 4, 5), (13, 14, 15), (51, 52, 53), (193, 194, 195), (723, 724, 725), ……
またしても「みよこさん」が現れました。しかも、無数の仲間を引き連れて…。