~落書き帳「○△□」~
小野新町塩釜神社算額の問題に端を発した話を続けます。
前回の内容をまとめると、
「凸四角形ABCDにおいて、AB=a, BC=b, CD=c, DA=d, ∠ABC=θ, ∠CDA=φ
として面積を S と置くと、 S=(1/2)absinθ+(1/2)cdsinφ …①
a²+b²-2abcosθ=c²+d²-2cdcosφ …②
φ, S は θ の関数であり、①と②を θ で微分して dθ/dφ を消去すると、
dS/dθ=(ab/2sinφ)sin(θ+φ) 」
角の範囲を考慮すれば、上記の結果は「S は、θ+φ=π(180°) のとき最大値をとる」
ことを示しているではありませんか。これは大変なことになりました。このとき凸四角形は、ある円に内接するのですから。つまり、4つの辺すべての長さが与えられた四角形は、自分の領地を広げようと夢見て、四角形という形状を保ちながらも次第にふっくらと丸みを帯び、ついにはある円に内接することで目的を果たす、というお話だったのです。
θ+φ=180°のとき、sinφ=sinθ, cosφ=-cosθ ですから、S をそのまま「面積の最大値」と読み替えるものとして、①、②より、
4S=2(ab+cd)sinθ, a²+b²-c²-d²=2(ab+cd)cosθ
辺々を2乗して加えると、
16S²+(a²+b²-c²-d²)²=4(ab+cd)²
これを S について解けば面積の最大値が求められる、という所まで辿り着きました。