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折々の算額


『狐田稲荷神社算額』全面

狐田稲荷神社算額全面

 明治17年(1884)奉納。


三春町狐田にある神社に現存する美しい額。

この神社の算額(1面3問)は、佐久間纉門人の影山賢蔵によって奉納されました。


いずれも代数の問題であり、この神社に相応しく狐を主人公に立てて、米の種蒔き、田植え、稲刈りに因んだ問題を作成しています。

そのため、図形の問題図はなく、代わって農作業の様子を描いた風景画が添えられています。

     (当村 影山賢蔵)


問題については「落書き1629~」で取り上げます。

『浮島神社算額』全面

浮島神社算額全面

 明治22年(1889)奉納。


本宮市白岩にある浮島神社の現存算額。

5問中第2問の図はこのページに掲載済です。


今回は落書き「786」で第3問を紹介しましたので、

全面写真を載せました。

額中央にあるのが第3問です。

      (庸軒派数学 三瓶林右衛門社中)

『三春七草木天神社算額』

七草木天神社

 明治十七年(1884)奉納。


平成29年度「三春まちなか寺子屋」で訪れた神社の現存算額です。

【問題】

  今有如図直内隔斜容甲乙丙円

  只云乙円径九寸問丙円径

すでに、落書き「323~326」で取り上げていますので、詳細についてはそちらをご覧ください。

また、落書き「572~」にも再登場しています。

『楢葉郡天神社算額』

楢葉郡天神社

 明治二十七年(1894)奉納。


前の算額と同じ、関根熊吉の撰。こちらは楢葉郡富岡町となっています。

ここに掲げた写真も、関根千尋氏による復元額です(昭和58年)。

等円二個で作られた三日月形に、「仁義礼智」四円を条件を工夫して入れています。


『冨岡村天王社算額』

冨岡天王社

 明治二十六年(1893)奉納。


楢葉郡元小良ヶ浜の和算家、関根熊吉奉納。

ここに掲げた写真は、関根千尋氏による復元額です(昭和58年)。

第1問を、「落書き帳 544」で取り上げました。

関根熊吉については、「落書き帳 539~」をご覧ください。


『相馬中村妙見堂算額』

中村妙見堂

 嘉永五年(1852)奉納。


相馬中村藩の和算家、荒至重(あら むねしげ)奉納。

ここに掲げた写真は、相馬市民俗資料収蔵館に展示されている復元額です(昭和51年、荒至重先生顕彰算額復元保存会)。

第5問を、第5回「街角の問題」としました。

          (落書き帳「537,538」)


『矢祭神社算額』(その2)

矢祭神社2

 明治二十一年(1888)奉納。

【問題】

  今有如図三角内容甲円一個

  乙丙円各二個

  只云乙円径三寸

  問丙円径幾何

  答曰丙円径一寸七分二厘七毛九糸四忽四微壱繊余

            (当村 吉田作四郎)


 落書き帳「499」で取り上げました。

『矢祭神社算額』

矢祭神社

 明治二十一年(1888)奉納。

【問題】

  今有如図三角内容大小円

  只云大円径八寸小円径六寸

  問全円径幾何

         (当村 吉田作四郎)

 正三角形の内接円径を求める問題。

 この額は失われた可能性があります。

 お心当たりの方はご一報ください。

 落書き帳「498」で取り上げました。

『梁川八幡神社算額』

梁川八幡神社

 文化十四年(1817)奉納。


伊達市梁川町にある神社に、中木温卿が奉納した算額です。2問中第1問は、黄金比が現れる図として貴重な問題。第2問は、有理数の問題として異色です。

いずれ、「落書き帳」や「街角の原っぱ」で

取り上げます。

『黒沼神社算額』

黒沼神社

 安政七年(1861)奉納。


福島市御山(信夫山)の麓にある神社に、

松川町出身の和算家丹治重治が奉納した算額です。

現在、福島市ふれあい歴史館に保管されています。


落書き帳「356」でも取り上げました。

『黒岩虚空蔵堂算額』第9問

黒岩虚空蔵堂第9問

 明治26年(1893)奉納。


【問題】

  今有如図外円 内画側円

  容甲乙円(甲乙円相切於側円周)

  只言長径若干短径若干乙円径若干

  問得甲円径術如何

   答曰如左術

  術曰置乙円径以短径除之自之乗長径

  内減乙円径余半之得甲円径合問

            (森谷染吉)

落書き帳「347」でも取り上げました。

『小平潟天満宮算額2』

小平潟天満宮2

 明治18年(1885)奉納。


現存する3面のうち、明治18年に奉納された算額から、第3問を紹介します。この算額の全体写真は、

すでに落書き帳「296」に掲載しておきました。

「正四角錐があって、それに全球を内接させ、

さらにその隙間に小球4個と大球1個を内接させる。

全球径三寸、小球径一寸のとき、大球径を求めよ」

                (渡邉寅重)

『小平潟天満宮算額1』

小平潟天満宮1

 明治14年(1881)奉納。


耶麻郡猪苗代町の由緒ある天満宮。学問の神に相応しく、この天満宮には3面の算額が奉納されています(明治14,18,19年)。詳しくは、落書き帳「296」をご覧ください。

これは、最初に掲額された算額の写真です。2問あって、第1問は整数の問題。第2問は平面図形の問題です。落書き帳「329」「330」をご覧ください。

『牧野見渡神社』

牧野見渡神社

 安政二年(1856)奉納。


田村市大越町に現存する唯一の算額。

5町村が合併して田村市が誕生した平成17年に、

市民俗文化財の指定を受けました。


大小10個の球を長立円(回転楕円体)でぴったり

覆った問題図が印象に残ります。


佐久間庸軒の門人根本久三郎の奉納額で、

このとき久三郎は二十歳、庸軒は三十七歳でした。


詳しくは、落書き帳「297~」をご覧ください。

『直毘神社』第2問

直毘神社

 明治28年(1895)奉納。


第8回「三春まちなか寺子屋」で訪ねる直毘神社の

算額から、第2問。

この問題を、第3回「街角の問題」とします。


【問題】(改題)

   団扇内に、甲円3個、乙円4個、丙円3個を

   図のように容れる。甲円の直径を与えて、

   団扇の直径及び乙丙円の直径を求めよ。

                 (内藤喜角)

『津嶋神社』第1問

津嶋神社

 明治16年(1883)奉納。


落書き帳「190.団扇の中のピタゴラス三角形」で取り上げ、第2回「街角の問題」として出題した問題。

6月「三春まちなか寺子屋」で訪ねた記念に、現物写真を掲載しました。


落書き帳「277.東海道五十三次」では、第2問を紹介しています。

『木幡山隠津島神社』算額

隠津島神社

 明治17年(1884)奉納。


落書き帳「15. 一寸」、「16. また一寸」で取り上げました。

          (最上流 斎藤利七門弟)

『諏訪神社』第9問

諏訪神社

 大正15年(1926)奉納。


落書き帳「225. 鉤股弦のかざぐるま」で取り上げました。


年末には昭和となる年の8月20日に、三春駅近くの諏訪神社に奉納された額。和算が深く根付いていた証しです。三平方の定理の証明図をうまく用いた問題。

             (平沢村 星野幸吉)

『田村大元神社』第9問

田村大元神社7

 明治34年(1901)奉納。


落書き帳「217. 二円の縁(その2)」の中で取り上げました。


2つの等円がはじめに与えられている点は、下の龍穏院第20問と同じ。こちらの方は、問題にしている黒塗りの部分が違いますが、それが最大となるときの菱長を問うている点は同じです。(高野村 橋本慶造 撰)

『龍穏院』第20問

龍穏院5

 明治26年(1893)奉納。


落書き帳「216. 二円の縁」に取り上げました。龍穏院算額中、最後の問題。鉄紺色が一際美しいですね。


2つの等円がはじめに与えられている点に注意。黒積が最大となるときの菱長を問うています。

記録によれば、見かけが同じ算額図でも「菱長が与えられていて等円径を変化させる」問題が他所の算額に見られます。(片曽根村 助川音松 撰)

『龍穏院』第9問

龍穏院3

 明治26年(1893)奉納。


図において、緑色の3つの円の直径が等しいとき、これらの円と他の円との関係を問う問題

すでに、落書き「189. アルベロスと黄金分割」で取り上げていますので、詳しくは落書き帳「○△□」をご覧ください。


なお、この図は様々な変化図をもたらしてくれます(『黄金比の眠るほこら』(日本評論社刊)参照)。その変化図の一つを基にペンダントも作りました(「商品一覧」のページ)。和算の復興・算額復元を目的とした活動ですので、ご協力いただければ幸いです。「お問い合わせ」ページからのメールをお待ちしております。

『龍穏院』第3問

龍穏院2

 明治26年(1893)奉納。


三春町龍穏院は、2017「三春まちなか寺子屋」の第1回見学場所でした。取り上げた問題は、下に載せた第16問とこの第3問。こちらは、落書き帳「215. 術に曰く」で取り上げました。

【問題】今有如図直内容三斜設甲乙丙積

    只云甲積四歩 又云乙積二歩

    別云直積一十六歩

    問三斜積幾何(信夫郡荒井村 佐藤刻治 撰)

『龍穏院』第16問

龍穏院1

 明治26年(1893)奉納。


三春町龍穏院の現存算額から、第16問(全20問)。落書き帳「64. 手作りの封筒」で取り上げ、「65」でも触れた失われた算額図と同形です。龍穏院算額は現存額の中でも大型で美しく、一見の価値があります。

【問題】今有如図方内、容等圭二個及宇宙円五個、只云、方辺三寸、問宇径及び宙径幾何

             (中郷村 柳沢久蔵 撰)

『浮島神社』第2問

浮島神社

 明治22年(1889)奉納。


本宮市白岩にある浮島神社の現存算額から、第2問(全5問)。

舘岩熊野神社算額(安島・マルファッチ問題)問題を直角三角形で作問しています。

落書き帳の「196. 安島・マルファッチ問題(その2)」で取り上げました。

      (庸軒派数学 三瓶林右衛門社中)

『熊野神社』

熊野神社

 嘉永3年(1850)奉納。


有名な安島・マルファッチ問題を取り上げた貴重な算額です。

 

南会津の小さな集落、伊予戸地区。江戸時代、そこで世界的に有名な問題を学んだ人物がいたことは驚嘆すべき事実です。

落書き帳の「182. 安島・マルファッチ問題」で取り上げました。

『姉屋正観世音』第5問

姉屋正観世音2

 明治11年(1878)奉納の算額の、7問中第5問。


落書き帳「○△□」の「3.四葉のクローバー」で取り上げましたので、そちらをご覧ください。

 

数楽カフェでも折りに触れて紹介していて、計算いらずの図形問題としても注目に値する一問です。

『鹿島大神宮』第2問

下川崎野地観音2

 昭和44年(1969)奉納の算額。土棚山東塾橋本慶明先生門人、岩谷金吾とあります。写真は、算法天元術と題した5問中の第2問。和算の基本術を改めて示したものです。


【問題・術文】  

 図のように、直角三角形とその内接円がある。直角を挟む二辺の長さが3寸と4寸のとき、内接円の直径を求めよ。

『下川崎野地観音』第2問

下川崎野地観音2

 嘉永3年(1850)奉納の算額の、2問中第2問。写真にあるのは、復刻されたものです。


【問題・術文】  

 正三角形の中に、図のように等円と等斜がある。等円の直径と等斜の長さを与えて、小さい三角形(内三角)の一辺の長さを求めよ。

                                          (野地彌源太豊成)

『下川崎野地観音』第1問

下川崎野地観音1

 嘉永3年(1850)奉納の算額の、2問中第1問。写真にあるのは、復刻されたものです。


【問題・術文】  

 外円の中に、大小の楕円各2個と9個の円が図のように接している。丙円、乙円は各楕円の曲率円であり、大小の楕円は相似であるとする。外円の直径を与えて、甲円の直径を求めよ。

                                          (野地彌源太豊成)

『杉沢愛宕神社』

杉沢愛宕神社

 平成11年(1999)、社殿改築の折りに天井裏から発見された算額片です。


【問題・術文】

 大正三角形の一辺の長さは、小正三角形の一辺の長さの何倍か。

              (年代不明 石森村 佐久間治郎太郎編)


復元額を奉納しました!(頁上段左端:2016.11.3)

『黒岩虚空蔵堂』第8問

折々の算額6

【問題・術文】


落書き帳「○△□」の「58.芳賀折り」で取り上げました。

 外国の専門誌にも紹介され、高校生がそれに素晴らしい解答を寄せたことで一躍有名になりました。  

 海を渡った福島県の算額問題が「折り紙」とは、願ってもないこと。「図の円の半径は、上にはみ出た三角形のある辺の長さに等しい」という事実を問題にしていますが、図の価値はそれだけではありません。

             (明治26年 杉妻村 中村熊治郎)

『黒岩虚空蔵堂』第14問

折々の算額5

【問題・術文】


 落書き帳「○△□」の「22.計算いらずの極値問題」で取り上げました。

 

 ただし、問題文を修正・改題してあります。


              (明治26年 杉妻村 長沢富蔵)

『田村大元神社』第3問

折々の算額4

【問題・術文】


 落書き帳「○△□」の「6.ゴールドラッシュ」に、問題文を掲載しました。

 

 ただし、図も問題文も修正・改題してあります。


            (明治34年 高野村 橋本松治郎)

『田村大元神社』第13問

折々の算額3

【問題・術文】


 外円に内接する2個の等円が、図のように交わっている。その共通弦の中点は外円の中心である。外円径9寸、共通弦の長さ3寸のとき、等円径を求めよ。

 答えて曰く、等円径5寸

 術に曰く、・・・。

     (明治34年 都路村 吉田右左司)


落書き帳「242」で取り上げました。

『三春厳島神社』第1問

折々の算額2

【問題・術文】


 今、甲円内に乙円2個を容れ、図のように菱形と丙円を描く。乙円径(直径)を4寸として、丙円径を求めよ。

 

 答えて曰く、丙円径1寸
 術に曰く、・・・。
     (明治18年 当村 渡邊巳三郎)

H.Nさんから「解答と関連問題」が寄せられました。

『三春厳島神社』第6問

折々の算額1

【問題・術文】


 今、蛇あり。その長さは10尺あるという。これを「の」の字の形に巻くとき、その中径は何程なるや。ただし,円周率には3.16を用いよ。

 

 答えて曰く、2尺4寸3厘余。
 術に曰く、・・・。
     (明治18年 字古内 渡辺市郎)

 社殿の格天井にはめ込まれた美しい絵の数々。その中に、これらの「算額」はあります。6問中5問は昭和期に発見されていましたが、蛇の問題は2009年に新たに発見されたものです。恐ろしい蛇の絵に圧倒されて、文字までは読まれることがなかったのでしょうか。


            

 中学生・高校生諸君! ご家庭の食卓や教室で話題にし、大いに楽しんでください。

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